こんにちは!カウンセラーの下村です。今日は母の日ですね。
私も1年半前脳出血で倒れ要介護になってしまった母に会いに行こうと思っています。
最近、母と娘の関係について書かれた本がたくさん出ています。
何故こんなにも母娘本が多いのでしょう?
それはやはり、母の子どもに与える影響があまりにも大きいからの様な気がします。
人間の子どもは生まれたときは自分で立つことも出来ず、食事を摂ることも出来ません。おっぱい・ミルクを飲ませてもらい抱っこで移動させてもらい、体が汚れたらお風呂に入れてもらう。全依存状態です。子どもが命を保っていくために、どうしても欠かせない存在なのです。生まれたばかりの子どもにとって母親は世界の全てと言ってもいいでしょう。
あれ?父親も育児に参加しているぞ!と思われるお父様もいらっしゃると思います。最近はお父様が子どものお世話をしている姿をよく見かける様になりました。とても素敵ですね!それでもやはり、体の構造上、体内で自分の栄養を分けながら育て、おっぱいをもっているお母さんの方が、命に直結した鍵を握る人になりやすいです。
私たちはジェンダーの問題にも取り組んで行こうと思っていますが、こうした身体の構造上のことは自然が与えたものなので、どうにもならない部分はあると思います。お父さんが出産を代わることはできませんものね。
そんなわけで、母親は命の源であり世界の全て。その人に愛され受け入れてもらうことは、世界が受け入れてくれるのと同じなのです。その安心感の中で、少しずつ自立していくのです。まず身体的な自立です。寝返りがうてるようになると、ごろごろ転がりだして自分の力で移動できることを知る。それははいはい、歩行と段階を進めて自分で好きなところへ行けるようになります。次に精神的自立。自己主張するようになり、自分のことを自分でやりたがるようになります。嫌なものは嫌だとも言うようになります。イヤイヤ期、反抗期などがこれにあたりますね。そしていつか、経済的に自立していきます。知恵と力をつけて、自分の力で生きていく。
ところが、母親に愛されたと感じられなかったらどうなるでしょう?
世界が自分を拒絶していることになってしまいます。世界が安全な場所ではなくなってしまうのです。周りは敵であると身体が認識してしまい、怖くてしかたなくなります。自分は受け入れられない存在だから、自分が考えていることは間違いだと感じ、感情を押し殺して人に合わせて生きる道を選んでしまうのです。
生きづらさはこんなところからやってくるのです。
子ども時代に身体で認識されたものは信念となり、一生を通じて影響を及ぼします。その苦しさを書いているのが母娘本なんですね。
何故息子でなく娘なの?それはまた後日。息子もしっかり影響されてはいます。
幸せの形は人それぞれですが、やはり人は人を求めて生きていくようです。心穏やかに幸せを感じていけるように、自分の気持ちを大事にしていける様に、それが私たちの願いです。